カジキ・マグロトローリング
ジェットルアーは、 水面下の超音波ルアー!? [カジキ マグロ トローリング]
カジキが水面に姿を見せないとき
ヘッドに数本のパイプ穴の貫通したジェットタイプルアーを曳くボートは日本では多くないようです。日本のように雨が多く、低水温でもカジキを追うフィールドには非常に適したルアーだと思いますが、使われることがあまり多くありません。春のまだ水温の低い時期や、雨が降って表層が甘くなったときなど、カジキが表層に浮いてこないときがあります。またどういう理由かわかりませんが、ルアーをチェイスしていても、その姿をいっさい見せないときもあります。カジキが表層に出てくるのを嫌がることがときとしてあるようです。カジキの活性が高いときは背中をまるまる見せて横からルアーに飛び掛ってきたり、後方からビルを振り立ててルアーを追ってきたりしますが、カジキの活性が低い時とか、食いが甘い時とか、カジキはその姿を水面上に見せたがりません。

ジェットルアーは水面下で力を発揮する
ジェットタイプのルアーは、表層に姿を見せないで水面下を泳ぐカジキを効果的に釣るために考案された、言ってみれば水面下ルアーです。水中にいる時間が長くなるように設計されていますのでバレットタイプのジェットルアーはほとんど表層には出てきません。コナカットタイプのジェットルアーでも水面に浮いてきてスプラッシュをあげるのは数十秒に1回、あるいは波の様子で時折水面に浮いてくるだけです。普通のルアーに比べると頼りない事この上ありません。ボートの上からではルアーの動きが見えないからです。さらに「数秒に1回水面に出てくるルアーがいいルアーだ」という風説があるからかもしれません。そんな事からジェットタイプのルアーが日本では普及していないのだろうと推測しています。

ジェットルアーは音波発生ルアー
しかし表面に出てきて豪快にスプラッシュをあげなくても、ジェットルアーは水中で様々な働きをしています。まず特筆されるのは、音波の発生です。パイプを通り抜けて後方から吹き出ていく水流は、ヘッド後方の穴から高速で吹き出して水流の不規則な乱れを起こし、音波を発生させるのです。その不規則な音波はカジキの側線やビルという巨大な受信アンテナを経由して、カジキの頭蓋骨に信号を送り、カジキの脳の捕食行動のスイッチを入れるのです。ジェットの名前の由来はここにあるのです。言ってみれば音波で食わせるソニックルアーなのです! 

スカートをヒラヒラさせ興奮!
それだけじゃありません。さらに乱れた水流はスカートの内側からスカートの裾の流れも乱して、スカートをカジキの鼻先でヒラヒラさせてカジキを興奮させるのです。ですからジェットルアーはスカートが長めにリグしてあります。ジェットルアーというのはすごく良く出来たルアーなのです。ルアーが表層に出てこないから、それが見えにくいだけなのです。

ジェットルアーを使いこなす
   水中に長くいるように設計されていますのでジェットルアーは通常のルアーより重く作られています。こんな重いルアーじゃ釣れないよ、と思う方もジェットの特性を理解して使えば納得するはずです。他の表層ルアーにはチェイスもしないときに、ジェットルアーだけにカジキがヒットしてくるかもしれません。ジェットルアーはバレットであれ、コナカットであれ、沈めて使う、音で食わせる水面下の超音波ルアーなのです。パクラルアーのピーターパクラ氏さえジェットルアーの特性を認め(パクラはジェットルアーを作っていません)、ジェットルアーは曳いた方がいいというのです。ただし、1本だけ、という注釈付ですが!


  アメリカ職人の作るコギンズジェット
   コギンズルアーはジェットが特徴です。じつはルアーヘッドにパイプを埋めていくのは随分手間のかかかる仕事なのです。アメリカの職人コギンズ氏は自分のルアーにこだわりがあるから手間のかかるジェットルアーを一つ一つ手作りしているのです。こんな手間のかかるルアーばかり作っているビルダーは少ないです。

   インサートの貝選びにおいても随分とこだわりがあります。それはインサートの貝を見ればわかります。一瞥したときの貝の輝きだけでなく、貝の緻密な模様や、繊細なきらめき、じっと見ているとぼーっと浮いてくる儚い光沢がコギンズルアーのもう一つの特徴です。海外のルアービルダーでここまで貝の輝きにこだわるビルダーを他に知りません。インサートの貝はコギン氏が一枚一枚、納得いく一片を自分で貝から削り出しているのです。ですから気に入った貝の材料がないときは注文を受けてくれません。貝の種類や取り方も見たこともないような使い方でいいルアーを作ります。日本の漁師さんの貝ルアーでも、コギン氏のような貝の扱いかたは見たことがありません。根っからの職人です。コギン氏がルアーを作るのをやめたら、誰もこの価格で同じルアーを作れないでしょうし、コギン氏独特の貝選びや貝の取り方はまねすることは出来ないでしょう。コギン氏は職人ですから高い値段をつけてはいませんが、一本30000円の価値があるルアーだと思っています。

コギン氏のメールにこんな一文がありました。
     私のルアーでみんながマーリンを釣ってくれる。     
    それがうれしくてコギンズルアーを作っているだけだ。

                 コギンズジェット   COPA

ジェットルアーは、 水面下の超音波ルアー!? [カジキ マグロ トローリング]_f0009039_1214148.jpg


ジェットルアーは、 水面下の超音波ルアー!? [カジキ マグロ トローリング]_f0009039_1214237.jpg

カジキ・マグロトローリング【ビッグゲームルアーズ】
by biggame-lures | 2007-02-08 12:21 | コギンズルアー | Comments(0)
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