Memorial to Great Lure Maker David Thomson.偉大なルアーメーカー デビッド トゥムスンへ捧げる。
From Masaaki S 鈴木雅章
9月に私のオーストラリアの友人が亡くなった。
長年、著名なルアービルダーとして
世界で活躍していた海が大好きな男だった。
名前はDavid Thomson. デビッドトゥムスン。
ルアーズを運営していた初期に知り合ったルアービルダーで
タイタンや私のオリジナルのルアー初期のスイマーや
ビーストをソフトヘッドで作ってくれていた。
ケアンズ近くのマリーナでデビッド夫妻と3人でお茶を飲む
どういう訳かひどく気に入られて、
数年ですっかり仲良くなった。よく電話もくれた。
2013年には自分がオーストラリアに出向いて、
ケアンズ沖グレートバリアリーフの
グランダーフィッシングに誘われて一緒に行った。
グランダーではなかったが900lbのカジキは巨大だった。
感動と驚きだった。
その時にようやく自分がカジキをなめていたことに気が付いた。
自分はそれまで200㎏の子供のカジキにしか
会ったことがなかったのだ。
そんな体験に連れて行ってくれたのも彼だった。
グレートバリアリーフに出航前
ルアーズの代表的なルアーと言えば、
あのBBS艇さんに「恐るべしタイタン」と言わしめた
タイタンを創作した世界でも有名なルアービルダーです。
そして、トップガンルアーもデビッドの創作したルアーです。
トップガンルアーといい、タイタンといい
すごいビルダーはいつもすごいルアーを作ります。
数年前にデビッドが体調を崩して、
1年ほどルアー製作から遠ざかっていた時期がありましたが、
徐々に体調が復活する時期に日本に遊びに来たいという話があり、
2018年9月に浜松に奥様のシャロンと一緒に来ることになりました。
1日は釣りに出て、1日は釣り仲間の飲み会にも参加させてもらって、
1日は仲間のP艇さんにお願いして
道場を借りて真剣居合の名人の型を観覧。
なかなか見られないものを見せていただきました。
宿泊は自宅の狭いゲストルームを和風にしつらえて
1週間ほどのんびり連泊してもらいました。
浜松の自宅のリビングでくつろぐデビッド夫妻
Ｐ艇さん達に着物を着せて頂いたデビッド
またその翌年の2019年9月には
デビット夫妻がアメリカに遊びに行った帰りに、
USA～アラスカ経由東京着のクルーズ船で日本に来たときにも、
また浜松に遊びに来てくれました。
この時も1日は釣りに出かけました。
カジキのヒットが1回ありましたがすぐにフックオフ。
運良くキャッチしたとしても
100㎏の小さなカジキでは満足してもらえないですが。
デビッドは小鳥が大好きで自宅で30羽ほど飼っているとのことで、
調べると名古屋にふくろうカフェがあったので、
誘ってみるとすぐに決定。
翌日はふくろうカフェで1時間ほど過ごし、それから名古屋城見学して、
TOYOTAの自動車博物館に行って遊んできました。
このときもだいたい一週間ほどの滞在で、
ちゃんとしたスケジュールを組むのも大変なので
適当に思い付きで予定を組みます。
デビッドも勝手が強いのでその日の気分で
予定を変えたがるのでこちらの予定も適当です。
他にも提案してみましたがやっぱり小鳥が好きなのですね。
翌日は掛川花鳥園に行くことになりましたが、
結局最終日にももう一度来ることになりました。
本当に鳥が好きだったのですね。
名古屋のふくろうカフェ
掛川花鳥園でオウムに囲まれてご満悦
帰りに、来年はまたケアンズに釣りに行こうよ、
と言って別れましたが、
翌年にはコロナが始まり多くの機会が減りました。
今年の9月の初めに2022年用のルアーをメールで注文すると、
デビッドが喜んで電話をくれました。
住んでいるメルボルンはコロナのロックダウンの中だったのですが、
元気そうで一安心でした。
その電話から10日ほどでした。
奥様のシャロンからメールが入りました。“ David passed away suddenly last night. ……. …… From Sharon ”
瞬間には意味が呑み込めず、
pass away を何度も辞書で検索しましたが
いくら探しても答えは一つしかありませんでした。デビッドは私より少し若いのに、辛いです。切ないです。
先々週まで笑っていた友人が突然です。
3か月たってもまだ信じられませんし、納得いきません。
そのうちに、またデビッドからの電話が携帯にかかってくるかもしれません。
大きな声で「ハイ、 マサアキ ！ アーユー OK？」
その節は“やっぱりデビッドは元気でした”と、
ご報告しますのでよろしくです。
PS. Davidのルアーメイクの後継者が決まったようです。
来年は新しいルアーが入荷されると思います。
