今年は下田のトーナメントでも、ベテランキャプテンの読みと
まったく違うなんにも無いところでカジキがヒットしていて、
ベテラン艇が首をかしげていました。
一般的にカジキのいるエリアを探すときの目印として、
水温、水色、潮目、鳥、などの情報に例年の実績を考慮して、
カジキのいるエリアを推測しま。
しかし今年はなんにも無いところでカジキのヒットが多かったようです。
ベテランキャプテンが口をそろえて、
『 なんでこんな所で?? 』
遠州灘でも1日カジキルアーを曳いていてノーヒット、
時間になってルアーを曳きながら岸に近づくと、
水色は緑に変わり、潮目も無く鳥もいず、魚っけもなくなって
もうこんな海じゃカジキは無理と思って
ルアーを片付けようとしていてカジキがヒットする、
そんなケースも数件聞いています。
昨年も例年と少し違うカジキのヒットエリアを感じましたが、
ここ数年カジキの回遊場所に変化が出てきているかもしれません。
でも基本的に”カジキはベイトにつく”ことに変わるはずがありません。
ここ数年沖にサバやイワシが少なくなっているだけかもしれません。
カジキが付くベイトが変わった、と判断したほうが良さそうです。
あるいは表層水温が高過ぎて沖のサバやイワシが表層に出てこないので、
表層からは判断できないのかもしれません。
(今年は胃の中のサバは少なかったようです)
で、注目しておきたいのが、
表層のベイト:イワシ、サバ、カツオ、など
浅海のベイト:アジ、ヒラッコ、
中層や中深海のベイト:イカ、ハダカイワシ、ホタルイカ、など??
沖にサバがいないので、夜は浅場でアジやイカを喰ってた様子は
胃の中の残留物で確認できましたが、
それ以外に何をベイトにしていたかは??ですが、
少なくとも表層のベイトについていた様子が見えない場所での
ヒットが集中したことは、
表層の状況だけで判断することは、
”片手落ちな情報収集”として考えてみる必要があるかも。
たとえば、クロマグロの回遊ですが、
クロマグロの有名な場所はたいがい水深50mほどの浅場ですが、
深い場所では、キンメ漁のキンメにクロマグロが喰ってきています。
300mの層を回遊してベイトを捕食している様子がわかります。
同様にカジキも、表層にはなんの気配もない100m~300mの層で
なんらかのベイトを捕食していて、時折浮いてくるのかもしれません。
沖縄で90mのタナでカンパチを狙ってジギングをしていたら、
ジグにカジキが喰ってきて、カジキが一気に表層まで浮いて
ジャンプして走り、ラインを全部引き出していった、
ということもありますから、カジキの100mでの捕食活動は否めません。
(メカジキは800mまで回遊していることがわかっています。)
中深海の釣をしているとわかるのですが、
海には表層の潮目だけじゃなくて、海中にも水平面の潮目があります。
表層と中層と底層それぞれに流れ方が変わる2枚潮3枚潮と言われるように
上下に複数の潮の流れがあり、その違う流れの接面は、海中の潮目になっていて
感度の高い魚探ならときどきその潮目を確認することもできます。
潮目であれば当然プランクトンやベイトが集まっているはずです。
餌釣りをしていると、魚の回遊のタナを探すのが大切になるのですが、
この海中にできる潮目が魚のタナの要素になっているのかもしれません。
カジキの回遊は表層だけでは判断つかないことが増えそうです。
トローリング中に魚探でカジキのベイトをサーチしている
ボートも多いでしょうけど、海中の潮目もサーチする必要がありそうです。
カジキを追うボートにとって中深海の釣りは、
海中の様子を知るためのいい経験になりますから、
是非お勧めしておきます。
たとえば、キンメは潮が正面から当たる500m~200mにかけての
駆け上がりの斜面の上の中層300mあたりに付きます。
アカムツはその駆け上がりの上端の200m前後の底に付きます。
キンメを狙ってボートを潮に乗せて流していると、
潮は駆け上がりに向かってゆっくり流されてのんびり釣りができます。
しかし、200mの駆け上がりの上端に近づくにつれて
潮の流れは速くなって、200mのアカムツのポイントでは
表層もかなり速い流れになって、操船もあわただしくなります。
カジキならこの潮が早くなっている場所がポイントになります。
中層や底のプランクトンやベイトが浮いてくるからです。
カジキが意外なところでヒットする本当の理由は
カジキに聞いてみなきゃわかりませんが、
中深海の釣りを経験して、海中の状況を知っておくのも
オフシーズン対策になっていいですよ。
カジキ・マグロトローリング【ビッグゲームルアーズ】